ひろくんの映画ブログ

映画好きの大学生。映画は2時間座っているだけで人生が変わるかもしれない。それが映画の魅力だと思っています。 「映画のこれなら誰にも負けない」ところをみつけるためにブログをはじめました。 基本、映画レビューですがたまにブックレビューや雑談が入ります。

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【ネタバレなし】『男はつらいよ お帰り寅さん』の見どころ。総集編ではなく新作だよ!

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はじめに

今年(2019年)は楽しみにしているシリーズ映画が目白押しで、

1月は「ロッキー シリーズ」8作目『クリード 炎の宿敵』、

4月はMCUが10年間で22作かけて描く完結編『アベンジャーズ エンドゲーム』、

12月には40年以上かけて描かれてスカイウォーカー家の完結編『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』

がやってくる半端ない年なのですが、


年末の12月27日にあの「男はつらいよ」シリーズの50年目にして50作目の完結編『男はつらいよ お帰り寅さん』が公開されるわけです。今年のトリですね。

 

このたび東京国際映画祭のオープニング作品に選ばれ、

そちらで一足先に見に行くことができたので【ネタバレなし】でレビューを書いていきます。

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基本的に大きく

・ここがすごかった『お帰り寅さん』!

・20歳の自分の初めての『男はつらいよ』劇場体験

この2点に絞ってみました。 

あらすじと予告
映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』予告映像

あらすじ(Filmarksより)

物語は諏訪満男の妻の七回忌の法要から始まる。

柴又の帝釈天の参道に昔あった「くるまや」の店舗は新しくカフェに生まれ変わり、その裏手に昔のままの住居がある。法事のあと、ひとしきり昔話に花が咲く。寅がマドンナを連れてくるたび、家中が大騒ぎだったことなど・・・あれからもう半世紀の歳月が流れたのだ。

満男は、長い間サラリーマンをしていたがその合間に書いた小説が認められ小説家になっていた。そんなある日、満男の最新作の評判がよくサイン会をすることになる。ところがその列に並ぶ客の中に初恋の人、一度は結婚の約束までした女性、及川泉の姿を見て呆然となる。ヨーロッパで生活しているイズミは仕事で来日し、偶然サイン会に参加したのだった。イズミに再会した満男はサイン会もそこそこに「君に会わせたい人がいる」と小さなJAZZ喫茶にイズミを連れて行く。経営者の顔を見て驚くイズミ、それは20年以上前に奄美大島で会った寅の恋人のリリーだった。

懐かしい人たちとの再会、そして思い返す寅さんのこと。それは満男とイズミにあたたかい何かをもたらしていく。イズミはその夜「くるまや」を訪れることになるのだが・・・

 

作品解説(東京国際映画祭のパンフレットより)

日本が誇る国民的人気シリーズ「男はつらいよ」。主人公の寅さんが旅先から故郷の柴又に戻ってきては、家族や恋したマドンナを巻き込み、騒ぎを起こす。破天荒で、変り者で、自由奔放。でも、その温かくて優しい人柄に誰もが魅了され、愛され続けたー。そして生誕50周年に生まれた第50作は、登場人物たちの”今”を描く新撮された映像と、4Kデジタル修復されたシリーズ映像が見事に紡ぎ合う、新たなる「男はつらいよ」の物語。

感想

いやぁ〜〜〜!!!

素晴らしかった!!!!

 


もう、涙と鼻水をダラッダラ流し大号泣。

最高の映画でした。

 

総集編ではなく新作だということ!

まず今作のすごい所は主演の渥美清が不在なのに、きっちりと渥美清が主演を務めているということ。

 

「じゃあ総集編なの?」

「CGで復活するんでしょ?」

 
と思いますよね。

全く違います!!


たしかにシリーズ49作目『ハイビスカスの花 特別編』は、満男が帰ってこない寅さんを想いながら過去を回想するという、実質的に25作目『ハイビスカスの花』を中心にリリー三部作を回想した総集編でした。

また冒頭に渥美清をCGで復活させて登場しており、これが当時にしてはあまり違和感がないクオリティです。

 

それに対して22年ぶりの50作目『お帰り寅さん』は総集編でもなく、新作としてフィナーレを迎える作りになっています!!


もうこれはグランドフィナーレですよ!

 

渥美清が主演していること!

たしかにタイトルが『お帰り寅さん』なので寅さんがCGで帰ってくると考えるのもわかりますが、英題がその点を上手に翻訳していまして『Wish you were here』なんですよ。

 

つまりこの「お帰り」という言葉は、

もう帰ってこない、どこかへ行ってしまった寅さん、つまり渥美清に対してのメッセージであります。

それを英題は"were"にすることで「あなたにここにいてほしい」ではなくあなたがここにいたら良いのにな】という叶わない望みだと言うことを見事に表現しているわけです。

 

それでもこの映画はきちんと主演:渥美清だと、見終わった後もそこは間違えじゃなかったなと感じました。

 

過去49作の寅さんの場面が絶妙に現代を生きる人々を動かしていく巧みな構成になっていまして、

そこで必要になってきたのがかなりレベルの高い過去作の4Kリマスターです。

 

4Kリマスターが凄すぎる!

こちらが現在の新作パート(予告編より)

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それに対して、

こちらが過去作の映像

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自分は現在流通しているHDリマスター版のDVDで見ていましたが、これは綺麗すぎませんか!?!?

 

両方とも違和感なく混ざっているため、

劇場に小学生が親に連れられて観に来ていましたが、この50作目のために全て新撮してると勘違いしたのではないかと錯覚するほどです。

(このために家で予習会が行われた素晴らしいエリート教育をされてる家庭かもしれませんが。)

 

そして倍賞千恵子演じるさくらの50年前の映像が出てきた時に、

劇場から「きれい~」という声があがったんですよ。

そう、もちろん今でもお綺麗な方ですが、古い映画の古っぽさがなくなると、今現在が20代の女性と比べてしまって「なんて奇麗な女優さんなんだ!!」と感動しました。

 

もちろんさくら以外にもマドンナが他にも過去の映像で登場するのですが、果たして自分の好きなエピソードのマドンナが出てくるのか?、ぜひ12月の公開まで楽しみにしてください。

 

そして12月に過去49作の4KリマスターBlu-rayが発売されるそうなので、自分も全て買うと20万円近くするので好きなエピソードの購入を検討しています。

この金額の高さに最初は驚きましたが、

単純に49で割ると1作品4000円くらいなので、適正な価格かと。

※単品で買えば1枚2千円ちょいで買えます。

 

必要だからこそ過去作の映像を使う

もちろん過去作の名場面には懐かしさを感じますが、

自分が驚いたのはその過去作の映像を使うことに必然性がきちんとあることです。

 

もちろん”今から過去の名場面に行きます!”という時もあるのですが、

現在パート→過去作パート→現在パート→過去作パート

これを秒単位でカットで変えたりするように、ただ回想する以外にも過去作の映像が使われます。

49作品分の映像から上手く抽出されています。

(ああ、細かいところを公開したら皆さんと語り合いたいです。。。)

 

 ”劇場で寅さんに会う”という映画体験

そう、今回ブログに書いてまで主張したかったのは、自分と同じ20代もしくはそれより若い10代の映画好きに今作をお勧めしたいからです。

というよりリアルタイムで観てきた方々には「総集編じゃなくて新作ですよ」という一言で劇場に行くに決まっています。

 

49作目の『ハイビスカスの花 特別編』が1997年で、自分はまだ生まれていません!

20代の方でももう生まれてるよ!という方でも年齢的に劇場で寅さんに会ったことが無い方は少なくないと思います。

もちろん10代でリアルタイムはありえません。

 

年上の映画好きの方からは、お正月は上野や浅草の松竹映画館はお客さんで溢れかえっていて、完全入替制ではなかったため朝からずっといる人もいたとお話しを聞きます。

(そんな映画館の時代に生きてみたかった!)

この度、東京国際映画祭のフェスティバルディレクターを務めていらっしゃる久松猛郎さんも松竹で働かれていた時代に、お正月の浅草松竹は劇場のドアが開いたままになるほどお客さんで溢れかえっていたそうです。

さらに久松猛郎と山田洋二、渥美清との想い出や、今回の東京国際映画祭のオープニング作品に選んだ経緯などがこちらの東京国際映画祭公式チャンネル【TIFFスタジオ】で紹介されています。


TIFF Studio第17回は第32回TIFFオープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』と9/14から開催のイメージフォーラム・フェスティバル2019についてたっぷり紹介!学生応援団も登場!

 

現在のシネコンで同じ体験をすることはできませんが、

自分が観に行った六本木EXシアターは二階席までお客さんで埋まり、

自分も含めて客席全体でゲラゲラ声を出しながら笑う。

 

今のシネコンではほとんどクスクスっと笑う程度ですが、こんな劇場が一体となって笑いに包みこまれた経験は初めてです。

「劇場で寅さんに会う」とはこういうことなのかと、まさか自分の映画人生で肌で感じることができたのは素晴らしい映画体験でしたので、10代20代の映画好きにも強くお勧め致します。

 

予習した方が良い過去作

ここまでの流れで

「自分、一作も見たことがないからな。。。。」

と考えた方は多くいると思います。

現に知り合いに「寅さん良かったよ!」と言っても見たことないから「今作だけでついていけるのか?」と聞かれます。

 

はっきりいうと今作『お帰り寅さん』は【初めて見る人にも全く問題がない構成】になっていましたので、無理に予習する必要はないと思います。

 

とはいえですよ、まだ年末の公開までに時間はありますので「予習した方が良い過去作」を紹介するならば、

まずは

第1作『男はつらいよ

 これは絶対条件かと。登場人物たちの関係性とここから50年にわたる壮大なドラマへと発展していきますので。

リリー三部作

第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』 

 第15作『男はつらいよ 寅次郎相合傘』

 第25作『男はつらいよ ハイビスカスの花』

 こちらもお勧めします。

最新作にも出てくるシリーズ屈指の重要キャラクターである浅丘ルリ子演じるリリーが登場する作品は抑えておくことがおすすめです。

そしてどれも全てが一つの映画として傑作です。

 満男と泉の恋5作

第42作『男はつらいよ ぼくの伯父さん』

 第43作『男はつらいよ 寅次郎の休日』

 第44作『男はつらいよ 寅次郎の告白』

 第45作『男はつらいよ 寅次郎の青春』

第48作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』

シリーズ終盤に近づくと渥美清の癌が悪化し、主人公は満男へとシフトしていきます。

満男の物語も渥美清が亡くなったことで、未完の状態になり、さらに相手役の後藤久美子も国際結婚により芸能界から距離を取ってしまいました。

 

そして今作『お帰り寅さん』では満男と泉の恋愛の続きが描かれるのです!

しかも後藤久美子は久々に女優業にカムバック!

だからこそ満男が10代の頃から続く恋愛劇だという事を抑えるうえで上記5作をお勧めします。

 

以上9作品を抑えたら最新作は10割理解できると思いますが、

 

49作品もあればまだまだ見て頂きたい傑作が沢山あるので、オマケ程度に紹介させて頂きます。

吉永小百合 二部作

第9作『男はつらいよ 柴又慕情』

第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』

 基本的にマドンナは浅丘ルリ子演じるリリーと後藤久美子演じる泉いがいが同じ女優でも役柄は違うのは基本なのですが、この吉永小百合演じる歌子はそのまま2作品に渡って描かれました。

もう吉永小百合が超奇麗なんですよ。

もう早く4K版を買いたい。

第10作『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 

 これは先日亡くなられた八千草薫がマドンナの作品です。

珍しく寅さんが好きになるのではなく、寅さんに恋をするマドンナを演じており、あの上品で美しい八千草薫との公園でのデートシーンは何度見ても心が(キュンキュンっていうのかな?まあいいや)キュンキュンします。

第17作『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』

 これはマドンナを太地喜和子が演じているのですが、自分はそこではなく宇野重吉が演じる画家とのエピソードが本気で笑えて好きで、そこから展開される人情話はお勧めです。

第18作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』

 この作品はいつもの寅さんとはかなり毛色が違いまして、

どういう意味で違うのかは是非見て頂きたいのですが、寅さんの死生観を垣間見える傑作になっています。

 

というわけで、これら全てお勧めなのですが、少なくとも最初に挙げた9作品は抑えていく事をお勧めします。

 

最後に

映画史に残る完結編だということ

ここまで自分がこの作品に心を打たれたのは、シリーズものの完結編の中でも次元が違うクオリティだと感じたからです。

 

ギネスブックに登録されている通り、50年間で50作を同一キャラクターで、ほぼ同一キャストで描いてきた作品は類をみないです。

 

そのシリーズの完結編は、

50年前の映像と新作がリンクするなど、少しずつキャストが歳を重ねていくというのは、リチャードリンクレイター作品で味わえる"時間感覚"を凌駕しています。

 

さらに今年は『アベンジャーズ エンドゲーム 』という作品が、作品単体ではなく10年間22作品たちの想いも合わさる効果を生み出したように、

今作は山田洋次監督は

「50年間かけてこの映画を作った」

と述べたように、そんな映画は他にありません。近年のユニバース映画ブームでも到底越すことのできない、「この感動は一体何なんだと」かなり新体験で、不思議が感動に包まれました。

 

 

というわけで、もっと内容についても語りたいことが沢山あるのですが、公開前なのでネタバレなしのレビューはここら辺で終わりにしようと思います。

 

男はつらいよ お帰り寅さん』は12月27日公開です。めちゃめちゃお勧めの作品でございますので、観た方と語り合いたいです。

公式サイト

新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』公式サイト|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト| 松竹株式会社

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