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【映画レビュー】『アルキメデスの大戦』なぜ”今”大和なのか。

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鑑賞前(山崎貴作品について)

今回は109シネマズの6p無料鑑賞券が手元にあったので、

・『アルキメデスの大戦』

・『ドラゴンクエストユアストーリー』

の2択で迷ったんですよ。

 

なぜか?

山崎貴監督作品が正直苦手で、

『ALWAYS三丁目の夕日』とか特に『STAND BY MEドラえもん』で結構イライラさせられたので新作が作られてもプライオリティが最下位でしたので未見作品だらけです。

 

ミーハーと言われたって仕方ないです。

まぁでも今の自分は見た方が良い映画がたくさんあると考えているので。

 

 

そしたらですね、どうやらいつも僕のTL上でディスられてる山崎貴監督ですがアルキメデスの大戦』の評判が良い。

これは6p無料鑑賞券を使うのに丁度良いのでは?という事で早速見てまいりました。

 

鑑賞後(※ネタバレあり)

うん!!

 

そこまで悪くなかったぞ!!

 

冒頭から戦艦大和の撃沈シークエンスから心を掴まれました!

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まず白組のVFXは素晴らしく、その撮影に慣れている山崎貴監督だからこそのクオリティだと思います。

更に一瞬だけども人体破壊描写があり、船につかまりぶら下がった状態になった日本兵がどんどん海に落ちていくのですが、1人は落ちていく時に艦に体を何度も打ちつけながら落ちていくというタイタニック』であったあの場面が見られるあたりが良くて、

きちんと”戦争に行きたくない”と感じる恐怖がそこにありました。

 

とはいえ山崎貴作品はすごいなと思ったのはこの冒頭だけで、残りの2時間は“調査“と”会議“が主となるドラマパートはもっとどうにかならないかな〜というのが本音です。

 

例えば【戦争✖️会議】ならば岡本喜八監督の傑作『日本のいちばん長い日(1967)』があるわけで、あれは圧倒的な演出によって157分の上映時間のほとんどが話し合いなのに緊張感が続いたわけです。

(あの作風をかなり意識しているのが庵野秀明監督作品で『シン・ゴジラ(2016)』はその顕著な例ですね)

こちらはBlu-ray

 

こちらprime videoシンゴジラに関しては無料ですね。

 

この冒頭での戦闘シーンが終了してからスクリーンに釘付けになる演出がなさすぎる。。。

特クライマックスの会議シーンなんか橋爪功舘ひろし國村隼田中泯らの貫禄を感じる名優たちが舌戦を繰り広げているのに外連味が少ないから、盛り上がりそうで盛り上がらない。

 

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じゃあこの映画は冒頭以外の2時間はダメダメだったかというとそうでもないんですよね。

次の論点に移します。

 

 

それは現代の政権に対して批判があったところです。

自分が監督作品を遠ざけるようになった理由として「なぜ“今”この作品を作ったのか」が少なくとも自分には不明瞭だったから相性が悪いと判断していたのですが、

 

今作は「なぜ“今”この作品を作ったのか」が割と明確に描けていたと思います。

 

この映画で田中泯演じる造船中将平山忠通が戦艦の見積製造費を実際よりも低く記すことでプランを通そうとするのですが、そこには企業との密約、癒着がありました。

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これを現実の政権が抱えている(抱えていた)問題と同一視しすぎるのはよくないかもしれませんが、

ここで平山中将は「全て国と国民のためにやった」と言うわけです。

このセリフは凄まじいですよね、

 

自分の2019年上半期ベストの『バイス』でも同じセリフがありました。

この国民のために不正を働くという大義名分を持って、善意によってその不正を包み込むと論破しようがないもどかしい気持ちになるんですよ。

 

このもどかしさが全くそのまんま映画の中で描かれている点は良かったです。

 

なぜわざわざフィクションでこの物語を2019年に映画化する必要があったのか?

 

それは「国民のためだから」と言って行われる政策、掲げられている公約をちゃんと注視していかないと 、どのような事態になってしまうかということをこの映画は伝えたかったのだと思います。

 

最後に

なんか褒めすぎたように感じますが、

やはりこのテーマは ドラマパートをもっと得意な監督に任せて、山崎貴監督はもっとVFXを多用するような映画を任せていればもっと面白くなったのにな〜という残念な映画でした。

 

まあでも遠ざけている作品もたまには見てみるということも大事ですね!

 

長文を読んで頂きありがとうございました。

 

映画は合わなくても、

シンプルに内容が面白かったので原作は合うかもしれませんね。

<インフィード>