今回紹介するのは『コレリアの反乱』『セロニア奇襲作戦』『決戦センターポイント』から成る『コレリア三部作』です。
1.はじめに
1-1.スターウォーズにおけるコレリア
カノンでもレジェンズでもスターウォーズの宇宙においてコレリアは語らないわけにはいかない場所でもあります。
なぜなら主要キャラの多くがコレリア出身だからです。しかもエピソード4の時点から名前は出てくる古参な設定でもあります。
著名な出身者だと、
ハンソロ(1)、そしてローグ中隊を率いるウェッジアンティリーズ(2)、あと『カリスタ三部作』で命を落としたメイディン将軍(3)。あと敵役だと賞金稼ぎのデンガー(4)もコレリア出身です。
レジェンズだけのキャラクターだと『スローン三部作』から登場したベルイブリス(5)もコレリア出身です。
写真は上記の文章で登場した順です。
(1)ハンソロ
(2)ウェッジアンティリーズ
(3)メイディン将軍
(4)デンガー
(5)ベルイブリス
なかなかのラインナップ。。。。
にも関わらずコレリアという場所は明確に描写されず、その辺がこの『コレリア三部作』で明かされ、カノンでは映画『ハンソロ 』の冒頭で描写されました。
映画『ハンソロ 』におけるコレリア
1-2.コレリアって星なの?星系なの?宙域なの?
この質問には全て正解と言えます!笑
そうコレリアってそもそも星なの?というわかりにくさがありまして、とりあえず銀河の中心コアワールドにある事は抑えてください。
コルサントの近くです。
まずコレリアン宙域がありまして、その中には複数の星系があります。その中でもメインとなるのが太陽コレルを中心とするコレリアン星系です。
さらにコレリアン星系にはコレリア、ドロール、センターポイントステーション、双子惑星のタラスとトララス、セロニアがあります。
ハンソロたちが指すコレリアはこのコレリアン星系にあるコレリアという惑星のことです!(これだけ覚えればOK!)
ややこしいですね笑
ハンが子供たちに今の説明をするのですが多分私たちと思うように「???」ってなっていたと思います。
たぶん私と同じように理解しにくいと思っていた読者が多かったのか三部作完結篇の『決戦センターポイント』の上巻の巻末に日本オリジナルでコレリア宙域の地図が付属されてます!
ありがたい。
1-3.コレリアにおける民族構成
コレリア宙域は3つの種族で構成されています。
まずは人間です。
人間史上主義の帝国時代の名残でコレリアの中でも人間がトップにたっています。
次にドロールです。
次にセロニアンです。
自分も読んでる時はドロールとセロニアンのビジュアルが謎でしたが、こんな感じなんですね。笑
2.どんな内容なの
『クリスタルスター』から4年後の18ABY。
レイアとハンは3人の子供をつれてハンの故郷コレリアで開かれる貿易サミットに参加していた。コレリアでは帝国崩壊後、交易ルートを断ち内政重視に陥っており新共和国との関係が悪化していた。
一方でランドはビジネスを転々とさせ、金持ちと結婚することで資本を獲得しようと計画した。花嫁候補と会う際に自分に箔をつけるために、ランドはジェダイマスターであるルークを同行させる。ランドはいくつかの花嫁候補をまわるうち、コレリア宙域にある惑星サコーリアのテンドラリーザントに好意を抱く。
その時、突然サコーリア政府から星から出ていくように催促されランドとルークがコレリア宙域を離れるとコレリアン宙域全体に遮断フィールドが展開されたのだ。
そのなかコレリアではハンの従弟スラッカン・サル=ソロが率いる<ヒューマンリーグ>が暴動を起こす。
スラッカンソロは星を破壊する力も有しておると豪語し、武力によってコレリアの自治を獲得し他のコレリア宙域の星でも独立運動組織が暴動を開始し混乱が激化する。
ハンは<ヒューマンリーグ>にとらわれたが監獄で出会ったセロニアンのドラクマスとともに脱獄する。そしてレイアはそこに居合わせたマラジェイドとともに軟禁状態から脱出する。そしてチューバッカと子供たち3人はドロールの家庭教師エブリヒムとともにミレニアムファルコンに乗りコレリアを脱出しドロールに向かう。
一方で遮断フィールどによってコレリア宙域を追い出されたルークとランドはコルサントに戻り、新共和国と対策を練る。しかし艦隊が全体に散っておりコレリア対して即応可能な兵力が少なく、そもそも遮断フィールドをどうやって突破するかが難題だった。
そこでモンモスマは遮断フィールドを通過する技術を開発したバクラに支援を要請することにする。バクラではルークのかつての恋人ゲリエルと再会する。ゲリエルがバクラの代表として同行し、遮断フィールドを突破できる4隻の戦艦がコレリアに向かう。
ここで少しずつ皆がコレリアの事態に疑問を抱くようになる。
コレリアの<ヒューマンリーグ>と他の星で起きている暴動はそろぞれがその地域固有の組織であり個々のつながりがない、そしてどの惑星でも地中を掘削し何かを探している、星を破壊できる力があるはずなのに何を求めているのか。.
※以下ネタバレ
この一連の騒動の黒幕はサコーリアの政治機関トライアドによるものだった。彼らはコレリア星系を何万年も前の先祖が作った時の遺産であるセンターポイントステーションがハイパースペースを超えて惑星レベルのものを引っ張れるトラクタービームがあることを知り、その出力を変えることで惑星も破壊できる力を得たのだ。そして遮断フィールドもセンターポイントの力を応用したものである。
だがここで予定外だったのがスラッカン=サル・ソロの裏切りだった。彼らはコレリア星系の惑星の地下に眠る惑星規模のリパルサーを探しあて、それを用いることでセンターポイントステーションを弱体化できるためトライアドに対して反乱を起こしたのである。
ついにトライアドの艦隊が遮断フィールドをきり、新共和国バクラ連合艦隊と裏切り者のスラッカン=サル・ソロを倒すために攻撃を開始する。
トライアド軍の特効によりバクラの戦艦に乗っていたオシレッジ提督とゲリエルは負傷し、脱出ポッドまで辿り着けないことを悟り、自爆装置を起動しトライアドの艦隊に大打撃を与えた。そこにかけつけたアクバー提督の艦隊によりトライアドの艦隊は方つけられた。
一方で惑星を破壊する準備をしていたセンターポイントステーションはアナキンがドロールのプラネタリーリパルーサーを起動させセンターポイントステーションの効力を無力化させた。
3.みどころ
3-1.『コレリアの反乱』
3-1-1.アナキンの特徴が現れる
アナキンは監視カメラを切ったり、ターボリフトを動かしたり、自然と機械を組み立ててドロイドを作ったりするようになります。
機械に対してフォースを上手く使えることが他2人よりも秀でてることがわかってきました。
この3人を育てるのは大変ですね。笑
3-1-2.ウーキー用の浴室
チューイがソロ家の家によくいくことからウーキー用の浴室があることがわかりました。笑
3-1-3.レイアが赤いライトセーバー!?
これは衝撃的でした。
ルークがレイアに渡したライトセーバーの色が赤なのです!
てっきりシスの色だと思っていましたがこの時代は設定がなかったのですかね。。。?
と、いうわけで、、、
Twitterの先輩の方々に伺ってみました。
あそこは確かに謎ですよね
— ジェイK (@starwarsrenmei) August 24, 2018
個人的には、ルークがミンバンで手に入れたカイバー・クリスタルの破片を渡した、という説を推したいです(厳しそうではありますが…) pic.twitter.com/ZvAdobnjhV
まあようするに、、、
設定がまだ定まってなかったのですね。。。笑
3-1-4.ランドの結婚観
今回はランドの花嫁探しがメインのパートの1つにあるのですが、あのランドが結婚できるわけないだろ!
と思ったら結婚の動機もランドらしく
「金のいっぱい詰まった深いポケットを手に入れる方法」
=結婚
だそうです。笑
まあこんな理由だから最初にお見合いした相手が「命の魔女」で命を吸い取られそうになったりしますが。笑笑
3-1-5.いくらなんでもダサすぎる「アグリー」
今作にはXウィング、Yウィング、BウィングとTIEファイターをくっつけたクソダッサイ「アグリー」という戦闘機が登場します。
最初のやつとかアストロメクドロイドの位置が自殺行為すぎますよね。笑
3-1-6.ハンの親戚が登場
今作にはハンの従兄弟(父親の姉の息子)にして反乱を先導する<ヒューマンリーグ>のリーダーとしてスラッカン・サル=ソロが登場します。
ハンソロ の親族については過去に紹介した『レイアへの求婚』で先祖について触れられただけで、ちゃんと登場するのは今作が初めてとなります。
3-2.『セロニア奇襲作戦』
3-2-1.これは映画『ハンソロ 』の元ネタでは!?
映画『ハンソロ』で囚われの身となったハンはそこでチューイと出会い、ハンがウーキー語を話して疎通を図りながらもめてるようにみせる場面がありました。
この場面ですね。
今作ではその元ネタのような場面がありました。
それはスラッカンソロに捕まったハンが牢屋にいたセロニアンのドラクマスと殴り合いをしているように見せかける場面がありまして、ハンが片言ながらもセロニア語を話すのです。
まぁセロニア語はレイアの方が上手いことが後でわかりますが。笑
3-2-2.バクラ再び!
今作では新共和国の艦隊不足からバクラに支援を申し出ます!!!!
あの『バクラの休戦』以来の登場です。自分はあの話がけっこう好きなのでテンション上がりました。
バクラにはルークの元恋人のゲリエルがいるので交渉にはルークが選ばれます。
まさかの元カノとの再会、ルークは
「彼女に対する気持ちは愛とも呼べない、はかないものだった。」
とか言っちゃいます。
(本当はどーなのー?笑)
なんか恋人は君しかいなかった的な事をいってますが、『ダークエンパイア』でも『カリスタ三部作』でもいた気がするけど、、、。
大人になりましたね。笑
3-3.『決戦センターポイント』
3-3-1.アナキン覚醒
いや〜、『クルスタルスター』では兄姉の方が光ってましたが今作はアナキンが半端ないです。
2万年以上前の古代文明のプラネタリーリパルサーをフォースの導きで発掘し、操作方法はわからないのに勝手に動かします。
しかもフィーリングで起動して、勝手にリパルサーを発射するという超危険なキッズです。笑
3-3-2.子供たちでファルコン操縦
今作でついにミレニアムファルコンを3人の子供たちで運転する展開があります!
少しずつ世代交代がスターウォーズの世界にも起きつつあるのですかね。
3-3-3.ゲリエル戦死
まさかの久々のゲリエル再登場かと思いきや、オシレッジとともに<イントルーダー>を自爆して戦死します。
これが三部作の完結編の終盤に起きる割には描写があっさりしているのが残念でした。。。。
もう少しアフターケアがあってもよかったのではないでしょうか。
4.最後に
上記の”みどころ”の箇所を観て頂くとわかるように、急に3作目『決戦センターポイント』にところだけ文章量が減っています。なぜならコレリア三部作は3作目にきて急に失速してしまったと感じました。1.2作目で投げた伏線をひたすら回収していくだけで、黒幕がトライアドだったことやゲリエルが戦死することもあっさりしていると感じました。
といってもですね!!!
決してつまらないわけでなく、部分部分ではかなり楽しめた作品でもあります!!
『カリスタ三部作』よりはもちろん面白いですし、『クリスタルスター』よりもスターウォーズらしいです。
戦争が終わって大国の力が弱まったことで民族自決の意識が高まっていく構造は、冷戦後の第三諸国とも重なると思います。またコレリアの独立を認めると他の地域に独立運動が飛び火し、新共和国の体制の弱体化につながりかねません。
かといって高圧的な態度をとってしまうと、帝国と同じ轍を踏むことになるのでうかつに武力を行使することができない。
この平和のもろさみたいなものを巧く描けていたと思います。
そしてハンソロはならず者の密輸業者、型にはまらないイメージがあります。そしてレジェンズ過去作では‘父親としとての側面‘が描かれてきましたが、彼の人格を形成している「コレリア人的思想、価値観」というのも描かれていたのが面白いので、その辺が気になる方にも読んで頂きたいです。
読んで頂きありがとうございました。
次回は傑作とされる『帝国の影』を紹介します。
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